物流拠点探索におけるパートナーの選び方とは?2024年問題への対策についても解説
物流業者において、適切な物流拠点の確保は経営上重要な課題です。特に2024年問題への迅速な対応が求められる中、物流拠点の戦略的選定が不可欠となっています。
この記事では、最新の調査結果を基にした物流ニーズ、拠点確保のための注目ポイント、デベロッパーとの直接契約の課題、適切な倉庫選びのコツなどを詳しく解説します。
目次
最新調査による物流ニーズ
CBREの「物流施設利用に関するテナント調査(2024年)」によると、物流企業は事業拡大や雇用環境の改善に注力し、荷主企業は物流拠点や配送ネットワークの再編に力を入れています。
2024年問題の対応については、物流企業および荷主企業の78%が「十分でない」「これから実施」「これから検討」と回答していることから、多くの企業が対応の難しさを感じながら2024年を迎えている状況です。
物流企業が実施している主な対策としては、「積載率の向上」「ドライバー増員」「他社との共同配送」「中間・中継拠点の新設・増設」が挙げられます。荷主企業もこれらの対策に積極的ですが、「検討中」という回答も多く見られました。
物流企業も荷主企業も、効果的な拠点戦略の構築に課題を抱えています。
拠点を確保するために注目すべきポイント
効果的な拠点確保には以下の5つのポイントが重要です。
- 立地
- 機能性
- 労働環境
- サステナビリティ
- コスト
それぞれのポイントについて解説します。
1.立地
拠点確保の際は、立地が重要です。物流が集中し、交通の便が優れている場所を選びましょう。具体的には、内陸部でも高速道路沿いや国道沿いなどが適しています。
また、倉庫や物流センターで働くスタッフの確保も重要なポイントです。従業員が通勤しやすい立地は、採用活動においても有利になります。
2.機能性
拠点確保において、倉庫の機能性も重要なポイントです。
各拠点では、荷主や荷物の変化に応じて作業内容が変わることがあります。そのため、作業内容の変更にフレキシブルに対応できる環境を備えた倉庫を選びましょう。
倉庫での主な作業には、在庫管理、受注、発送、仕分け、ピッキング、タグ付け、商品撮影、返品対応などがあります。
現在は一部の作業のみであっても、将来的な業務範囲の拡大を考慮し、倉庫の機能性には注目しておきましょう。
3.労働環境
拠点での労働力を確保するためには、労働環境の充実も重要なポイントです。
施設内にコンビニ、カフェ、レストラン、託児所、シャワールーム、ラウンジなどが設置されている場合もあります。これらの施設は従業員の福利厚生となり、魅力的な職場環境として求職者を引きつける要因となります。
4.サステナビリティ
サステナビリティに配慮した施設であることも、拠点を選ぶ際のポイントです。CSRの実現に役立ち、企業のイメージアップにも貢献するでしょう。
具体的には、太陽光発電システムの導入やLED照明の利用などが考えられます。導入コストが発生するものの、長期的にみるとエネルギーコストの削減が期待できます。
また、緊急事態に備え、事業継続計画(BCP)に配慮した施設であることも重要です。
5.コスト
物流拠点を確保する際、コストは重要な検討事項です。効果的なコスト削減策として、物流不動産事業者(デベロッパー)の活用が推奨されます。
前述の4つの要件を高水準で満たすには、マルチテナント型の大規模拠点が適しています。このような拠点の開発・提供を専門とするのが物流不動産事業者です。
2024年問題に対応するには、労働時間の短縮や労働環境の改善が欠かせません。自社資金での施設建築では解決が難しかった課題に対し、物流不動産事業者は効果的なソリューションを提供します。
デベロッパーとの直接契約の課題
デベロッパーが提供する倉庫は、前述した立地、機能性、労働環境、サステナビリティ、コストという5つのポイントを満たしていることが多いでしょう。
ただしデベロッパーとの直接契約には、以下の5つの課題があることに注意が必要です。
(1)貸出区画
物流不動産は、建ぺい率・容積率を最大化した倉庫を建築することが一般的です。そのため、敷地いっぱいに倉庫を建て、配送車両の動線が狭かったり、待機区画がなかったりして積み下ろしに時間がかかり、配送効率が低下する可能性があります。
また、コスト削減のために柱と壁を最小化するために区画が大きくなり、必要とする規模に合った面積区画、設備の倉庫を見つけることが困難な場合があります。
(2)性能・使い勝手
賃料を安く設定するために、立地や環境、仕様面で妥協した倉庫が紹介される可能性があります。
特にハザードマップ上浸水や土砂崩れが懸念される場所に立地していたり、風向きの配慮がなく結露が発生したり、風雨や土砂が吹き込んだりするなど、建物の外観をみただけではわからない、性能の低い物件があります。
そのような事情から、倉庫の詳細情報が十分に開示されないこともあるでしょう。
(3)契約期間
一般的に5年以下の契約は締結が難しく、解約条件も厳しくなりがちです。
(4)契約のタイミング
自社の希望する時期に契約できず、倉庫移転時に二重賃料が発生する可能性があります。
(5)与信
契約時に多額の保証金(敷金)を要求され、保証金を準備できないと契約を断られる可能性があります。
これらの課題がクリアできれば、デベロッパーとの直接契約は有力な選択肢となるでしょう。課題が残る場合は、物流専門の仲介業者に相談することをおすすめします。
良い拠点を選ぶための倉庫の探し方
良い物流拠点を見つけるためには、以下の2つの方法があります。
- 物流倉庫専門のWebサイトを活用する
- 専門の仲介業者に相談する
それぞれ詳しく解説します。
物流倉庫専門のWebサイトを活用する
物流倉庫専門のWebサイトを使うことで、迅速かつ効率的に倉庫を探すことができます。これらのサイトは通常無料で利用でき、さまざまな倉庫の情報を簡単に検索可能です。
ただし、サイトによっては情報が情報が古かったり、限定的な場合があるため、複数のサイトを併用することが望ましいでしょう。
専門の仲介業者に相談する
自社に適した物流拠点を効率的に見つけるには、物流倉庫に特化した仲介業者への相談が有効です。専門の仲介業者は、多様なオーナーの物件情報や各地域の倉庫物件を幅広く把握しているため、具体的な候補地が定まっていない場合に特に役立ちます。
専門の仲介業者を利用するメリットは主に以下の3点です。
(1)自力で探すより迅速に理想的な倉庫にアクセスできる
物流不動産はアパート・マンションなどのように、規模の大小、エリアに関わらず多彩な情報を様々な検索条件で探せるサイトはネット上には十分にはない状況です。
専門の仲介業者は物流不動産に特化して情報を常に集めているため、自力で探すより迅速に物件情報を得ることができます。
(2)立地選定や設備に関する専門家のアドバイスが受けられる
現在、物流不動産の建物仕様はほぼ規格化されており、建物情報だけで使い勝手を含めた物件の良否は見分けにくいです。
活動量が多く、立地や設備仕様まで理解している専門の仲介業者はこれらの情報や実際に使用している方の評判などの情報を持っていることが多く、物件選定において適切なアドバイスを受けられます。
(3)オーナーとの条件交渉をサポートしてもらえる
実際に契約に至るまでにはアパート・マンション等の入居とは違い、独特な手順を進めながら、さまざまな条件交渉が必要となります。
これらの契約までの進行についても、わからないことをしっかり聞けて進められる専門の仲介業者は心強い存在です。
まとめ:物流戦略における不動産仲介についてのご相談はダイワコーポレーションにお任せください
自社に適した物流拠点を選ぶためには、物流倉庫専門のWebサイトを利用する方法や、専門の仲介業者に相談する方法があります。
自力で倉庫を見つけるのは困難なため、候補地が具体的に定まっていない場合は専門の仲介業者に相談することをおすすめします。
ダイワコーポレーションは、70年以上の歴史を持つ物流倉庫業界のプロフェッショナルです。自社での拠点運営経験を活かし、物件の実用性や品質を的確に評価できるノウハウがあります。
弊社の強みは、物件オーナーとマスターリース契約を行っていることです。これにより、倉庫を一棟借りして必要な区画を貸し出すことが可能となり、賃貸面積やタイミングの柔軟な調整ができます。また、契約期間や与信条件についても、借り手のニーズに合わせた柔軟な対応が可能です。
物流拠点の最適化にお悩みの方は、ぜひダイワコーポレーションにご相談ください。豊富な経験と専門知識を活かし、お客様の物流戦略の成功をサポートいたします。